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K社事件 規制の網スルリ 批判の声届かず

IP電話事業を名乗り投資家から多額の資金を集めたK社。派手な宣伝を始めた平成14年ごろから、一部の専門家は同社の事業に疑いの目を向け、インターネットの掲示板では批判の書き込みが増えていた。しかし、同社は法規制の網をすり抜け、約3000人から約400億円もの出資金を集めたとされる。電気通信事業者を管轄する総務省などに突き付けられた課題は重い。

■「怪しい」

「4年ほど前、知人から相談を受け、K社を調べたが、怪しい話と感じて絶対に乗らないよう忠告した」。多摩大学の教授(通信工学)は振り返る。

当時からネット上にもK社の事業への疑問の声はあふれていた。

最低1100万円の出資金で「中継局」と名付けたサーバーのオーナーを募り、「利用者の通話料から出る配当金で出資金は2~3年で回収できる」と投資家に説明。サーバーの設置台数は2466台とされていた。

そもそも、この数字が「怪しい話」だった。「K社の通話回数ならばサーバーは1~2台もあれば十分だったはず」(教授)

ところが、総務省はマスコミの疑惑報道が始まった今夏まで問題に気付かなかったという。データ通信課長は「『投資対象として大丈夫か』との問い合わせは何度かあった。ただ、『そのような問いに答える立場にありません』と返答して終わり」とそっけない。

電気通信事業法は、利用者保護の法律で、同社の通話サービス自体は継続していた。同省に投資問題にまで踏み込む権限はないが、結果的に、早くから指摘されていた疑惑が役所には届かず、投資家を紹介すると手数料が支払われる「マルチ商法」で被害は拡大した。

■異なる中身

IP電話を売り物にした同社だが、大手通信企業のサービスとは、大きく異なるものだった。

一般的なIP電話には、「03」などの市外局番がそのまま使える「0AB~J」(ゼロ・エービージェイ)と、全国一律に「050」で始まる2種類がある。この2つは延べ約40業者が展開しており、「社会インフラ」を担う企業として総務省の監督も厳しい。

K社の場合はプリペイドカードに書かれたフリーダイヤルに電話し、暗証番号と相手先の電話番号を押すと通話ができるサービスが主力。電話をかける際の手順が複雑なため、相手先の電話番号を押せばすぐにつながる一般的なIP電話に比べ利用者がかなり限られるのは自明の理だ。

通信関係者の間では、「03」「050」などの番号が振られたものをIP電話と呼び、ほかはインターネット電話と区別されている。このわかりにくさが放置されていたことも、K商法を拡大させたといえ、同省の職員も「詳しくない人には同じに見えるでしょうね」と声を潜める。

■お墨付き

「当社はNTTと同じ電気通信事業者です」

近未来はこう説明し、投資家も「国のお墨付きを得た業者と思って信用してしまった」と話す。

同社は11年、当時の電気通信事業法に基づく「一般第2種電気通信事業者」になった。NTTのような自社回線を有する大手は総務省の許可が必要な第1種。一般第2種は届け出制で同省の経営審査もないという。

実は、こうした届け出のみの業者は約1万4000社もある。書類さえ提出すれば登録業者になれるからだ。「無届け運営」での摘発から逃れるために申請している「出会い系サイト」を営む業者も含まれ、法律的には電気通信事業者となっている。

事件を受け、総務相は事業者の健全性を確認できるよう、電気通信事業法の改正案を来年の次期通常国会に提出する意向を表明した。ただ、「新規参入企業に財務諸表を提出させ、参入後も総務省が経営実態をチェックすべきだといった一部の主張は現実的でない」と抵抗を示す同省幹部もおり、通信の自由化の原則を守りつつ、いかに悪徳業者を排除できるかがカギになりそうだ。

                    ◇

【用語解説】K社

平成9年、毛皮や宝石の販売会社として設立。IP電話事業を開始するとして11年、総務省に届け出た。15年1月から「IPテレビ電話」のテレビCMを流すなど派手な広告で知名度を上げ、中継局に出資する投資家を募集。中継局オーナーに対し「利用者の通話料から配当する」と説明していたが、総務省の調査では17年7月期の売上高約181億円のうち通話料収入は約3億円(約2%)で、大半が投資家の出資金だったことが判明。投資話が詐欺だった疑いが強まり、警視庁は今月4日、同社本社などを一斉捜索し、11日に捜査本部を設置。東京地裁は20日に破産手続きの開始を決定した。

                                       (産経新聞)-12月22日

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コメント

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投稿: Girlensmotrey | 2007年10月17日 (水) 16時06分

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